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休校中の子どもたち③休校期間を振り返ってみる。

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バックナンバー 休校中①

“しみず家”の場合

バックナンバー 休校中②

“みつもり家”の場合

少しずつ自粛要請が緩和されて、関西の小学校では6月から授業がはじまることが決まりました。
大人たちのあいだでは「テレワークが進んだ」「環境問題が改善された」などプラス面も見えてきていますが、子どもたちにとってこの休校期間はどんな影響があったのでしょうか。“しみず家”“みつもり家”、それぞれに聞いてみました。

“しみず家”の振り返り

小学校3年生の長女と1年生の長男の二人が 3 月から休校中。しみずさんは、休校が決まってからは週5日在宅&時短勤務を続けています。

―6月からは本格的に学校が再開されますね。

長いお休みでした…。休校後半、うちの学校ではしっかり宿題が出たので、子どもたちは日々宿題に追われてます。

―夏休みの最終日を思い出します…。いろいろあった休校期間を振り返っての感想をおしえてください。

「大変だった〜〜〜」って感想が先にきちゃいますね〜(笑)。
でも子ども目線で考えると、「好きなことにたっぷり時間をつかえる期間」だったと思いますよ。

―好きなこと、ですか。

例えば、娘は推理小説にハマって「小説家になりたい」と言っていて。休校中に“名探偵コナン”や“江戸川乱歩”を読んでその熱が高まったのか、ついに推理小説を書き始めたんです。

“探偵もの”の中にも、小学生向けにルビがふってある読みやすい本もあるそうです。

―推理小説を!それは時間がかかりそうですね。

学校や学童では友だちと一緒だったり、「宿題・外遊び・室内遊び」と時間が決まっていたり、休みの日は家族とでかけたり…。子どもなりの予定があるので、一人で一つのことをじっくり考えられる時間って意外となかったのかなと思います。
ちなみに小説のタイトルは「猫探偵さゆりの事件簿」。ちょっと読ませてもらうと、序盤にうさぎの奥さんが殺されるという大胆なスタートでした。作者本人にさえ犯人の動機やトリックが見えていないようです。

こちらが猫探偵のさゆりさん。チェックのブーツがおしゃれです。

―じっちゃんの名にかけたりするんでしょうか…、今後の展開が楽しみですね。

ちゃんと解決されるのやら…。
普段の平日だったら、朝は準備にばたばた、帰ってからもごはんやお風呂とお互い忙しくて、ゆっくり過ごす時間をつくるのは難しかったんです。だから私にとっても「いまこんなことが好きなんだ」「いつの間にか考え方がオトナになったな」と、子どもを知るいいきっかけになりました。
今年は夏休みが短くなるなんて話も聞くし、学校が再開したらまた忙しくなるだろうけど、これからは以前よりも子どもの“好き”や“興味”にアンテナを張れたらいいなと思っています。

娘さんは最近コーヒーの研究にもはまっているのだとか。コーヒー豆の特徴をノートにまとめているそうです。

“みつもり家”の振り返り

小学校5年生の長男と、2年生の次男の二人が休校中。みつもりさんもいまは週5日の在宅勤務中です。

―みつもりさんは、いまどんな感想をお持ちですか。

3カ月くらい休校だったので、元のリズムに戻すのが大変ですね...(笑)。
でも、いろいろなきっかけにはなったかな。例えばお手伝いとか。時間がたっぷりあるから、1人がゲームをしているとなりで、もう片方は順番を待ちながら洗濯物をたたんでくれるようになりました。

日課になっているので、最近はたたみ方も上達してきたそうです。

―待ち時間を有効活用していますね!

「たたみ方がちょっと…」と思うこともありますが、託した以上は口出ししないようにしています(笑)。自分でたたむからこそ「せっかくたたんで積み上げた服を倒される」という悲しみも実感できたようです。
普段はお手伝いをお願いできる時間もなかったので、この機会に習慣づいたのはよかったですね。

―最近の小学生は忙しいんですね。

ほんとに。それと、前回も少しお話したんですが、マンガ以外の本を読まなかった次男が本を読むようになりました。

―机の下の“秘密基地”ですか?

そうそう。次男はもともとドッチボールや鬼ごっこをするために学童に通っていたような活発な子で、休校中は「外に出られない」ことがしんどかったようです。一方、長男は本好きで何時間でも読書に没頭するタイプ。
次男からすると「お兄ちゃんと遊びたいのに!」と思っていたでしょうが、読書に夢中の長男のとなりでしぶしぶ本を読みはじめたんです。

秘密基地にはお気に入りの本のほか。ルーペや時計、ぬいぐるみ、懐中電灯など、子どもにとっての“宝物”が並んでいます。

―時間がたくさんあったことと、お兄ちゃんの存在が読書のきっかけになったんですね。

最初に読みはじめたのは「どっちが強いシリーズ」とか、どれもカラーで挿絵が大きい本でした。
そのうちに「マジック・ツリーハウス」や「星のカービィ」といった文字量が多い本も読めるようになってきましたよ。

兄弟仲良く読書タイム。

―みつもりさんから本を勧めることはありますか?

押し付けるとイヤになると思うので、私が読んでみてほしい本はこっそり本棚にしのばせています。
今までは私が、「この子はアウトドア派だから」と子どもの傾向を思い込んで、可能性を狭めていたのかもしれません。私にとっても、「環境さえ整えば子どもは得意不得意に限らずどんな方向にでも進めるんだ」と実感するいい機会になりました。

これを機に、なんでも食わず嫌いせずにトライしてみることで「知らないことを知るって、おもしろいんだ」と感じて、ついでに学校の勉強も楽しんで取り組んでくれたらいいなと思っています。

勉強が遅れる、家庭や地域によって学習格差がでるといった不安をよそに、子どもたちはたくましく過ごしていたようです。学校とはまた違ったきっかけから、じっくり考えるおもしろさを知ったり、興味の幅を広げたり…。子どもたちはいつの間にか、こうした“創造力のタネ”をたくさん見つけているんですね。
皆さんのご家庭でも、この休校期間のことをお子さんと振り返ってみると、意外な発見があるかもしれませんね。

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この記事を書いた人

増田 ななこ

ラジオを愛する元テレビディレクターのコピーライター。人生で初めて読んだ漫画は『銀牙 -流れ星 銀-』です。