休校中の子どもたち②みつもり家の場合
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“しみず家”に引き続き、キッテオッテスタッフに休校中の子どもたちの様子を聞きました。前回はお姉ちゃんと弟の二人姉弟でしたが、今回は、男の子二人兄弟のお話です。
“みつもり家”の場合
小学校5年生の長男と、2年生の次男の二人が休校中。
学校があるときは習いごとや部活、学童保育があったので、在宅の日と出社する日を組み合わせた時短勤務でしたが、各所が閉所になってからは週5日子どもと一緒に在宅勤務をしています。
―“しみず家”と同じくお子さんが二人。でも男の子二人だと、また過ごし方が違いそうですね。
うちの男子は、「家なのに学校みたいにきっちりルールを決めるのはイヤだ」という感じですね(笑)。それも二人いればなおさら…。なので、最初に考えたのは「どうしたら快適に遊びも勉強もできるか」でした。
―「学校みたい」じゃない方法で勉強する、ということですか?
そうですね。例えば、気分転換と運動を兼ねて子どもと一緒に朝の散歩をはじめたんですが、この時間は「体育と理科の時間」ということにしました。
―運動になるから体育はわかりますが、理科ですか?
鳥を観察したり、つぼみを見つけたらどんな花が咲くのかクイズをしたり、方位を確認したり、朝の月を探したり…。よく言えば、理科の課外学習みたいなところです。
「見つける楽しみ」があると、散歩も意外と充実しますよ。
日中は仕事でなかなか時間がとれない分、始業前に1時間弱ほど一緒に過ごすことでお互いにけっこう満足できていると感じます。朝の1時間って大きいけど、まあ通勤時間だと思えば。
散歩中にたんぽぽの綿毛を発見。2年生の国語と生活の授業で習う予定の“たんぽぽの知恵”について実験してみたそう。
―みつもりさんの仕事中は、どう勉強をとり入れるんでしょう。
9時半から12時までは宿題がメインの“デスクタイム”です。「学校ほどじゃなくていいけど、午前中は勉強しよう」というのが我が家で決めたこの期間の約束。
長男は今までの夏休みとそれほど変わらないのか、「今日は国語の日、明日は理科の日」と自分ルールを決めて割とすんなりやってくれたのですが、次男は…。
―低学年だと、「長期休みに家で勉強をする」という経験も少ないですよね。家では勉強したくない!という感じですか?
というより、登校する→教室に入る→先生が来る、この流れがあってはじめて「勉強するモード」になったようです。なので最初は「宿題かぁ…」と言いはじめてから10分経ち、20分経ち、30経っても机に向かってくれず、そうなると私も仕事にならなくて。
次男の場合、家は遊ぶ場所だと思っている。ということは、「遊びながらできればいいのかな」と考えて、遊びから“やる気スイッチ”が入る方法をいろいろ試しました。結局、効果があったのはクジ引きです。
お菓子の空き箱をくり抜いて、お題を書いた紙を入れただけ。
みつもり家のBOXには、画用紙で作った「応援チーター」がちょこん。クジの内容は、「プリント1まい」「かんじドリル1ページ」「おんどく」「ピアノのれんしゅう」など。「ジュースGET!」の当たりクジも入っているそうです。
―当たりクジもあるんですね!ゲーム性があって楽しめそう!
自分で引くので納得感があるみたいです。クジは私が書いているんですけど…(笑)。最初に「プリント1まい」を引くと、「…ってことは、2まいもあるの?」とピンときたようで、「1まいでよかったー」と引いたクジに前向きになれたという利点?もありました。
―クジを引くことでうまく“やる気スイッチ”が入ったんですね。
クジを引くと、なんだかんだ言いながらも机に向かうようになったので、次男には効果的でしたね。登校の代わりに、クジを引く→勉強する時間、という流れもできてきました。たまにクジの内容を変えて、新鮮さを保っています。
―勉強が一段落すると、もうお昼の時間ですね。
食べ盛りの男の子二人だと、お昼ひとつとってもハードそうなイメージがあります。
どこもそうだと思うのですが、食べ盛りでしかも好みがバラバラの子どもが飽きないメニューを毎日…というのが地味にハードだったので、私の息抜きも兼ねてときどき近所のパン屋さんを利用しています。
休校になってすぐは一緒に行っていましたが、最近は子どもたちに留守番を頼んで、みつもりさんが調達係。
―午前中は勉強、では午後からは何をして過ごすのでしょう。
自由時間です。読書やお絵描き、工作にボードゲーム、鍵盤ハーモニカやピアノと好き勝手に遊んでいますね。私はその間仕事をしているのですが、気付いたら家がカオスになっていることも…。でも、長めの図工や音楽の時間だと思うことにして、いまはそっとしています(笑)。
読書好きのお兄ちゃんの影響で、次男くんは少しずつ本を読むように!読書の特等席は、この期間中“秘密基地”にしている勉強机の下。
―「お手伝いもして」とか、「テレビは◯時間まで」とか、特に約束していることはないんですか?
普段は15時頃まで学校ですが、家ではそこまで根を詰めなくてもいいかなって。
一応、テレビやゲームはお楽しみを兼ねて16時から。長男にはお風呂掃除と洗濯物たたみを任せていて、夕食までに完了していればOKというゆるいルールを決めています。飽きっぽい次男には、ゲーム感覚の「お手伝いビンゴ」をつくりました。ゲーム仕立てにすると“クリアしたい欲”が刺激されるのか、だいたい3つはお手伝いしてくれますね。
何度も使えるオリジナルのビンゴ。スタンプやシールでも代用可能。
私に時間の余裕があるときは、かんたんなゲームで遊ぶこともあります。好評だったのは、クイズのカードを家の中に隠しておく「宝探し」。最初は私がクイズを考えますが、2回目以降は長男がクイズを出したり、次男もマネして問題をつくったりと子どもたちだけで楽しんでいました。
出題するときは、小学校で習う漢字をクイズにするなど少しだけ“学び”の要素をプラスしているそう。
こちらは兄から弟へのミッション!
ちなみにクリアしたときのご褒美は、Instagramでご紹介した「お菓子パック」!
―子ども同士で遊んでくれるのは助かりますね。
そうなんです…、子どもたちが「ママに宿題をつくる」というのも、いい時間稼ぎになりましたよ(笑)。
勉強した内容から子どもが宿題をつくって、私が解くんです。仕事中は隣にいてもなかなか勉強を見られないので、その代わりというか。問題を見ていると、「2年生なりに考えたな」とか「5年生ではこんな勉強をしてるんだ」と分かるのもおもしろいです。
丸つけをするのも、もちろん子どもたち。厳しいお直しが入ることも…。
―お話に出てきた「宝探し」などの遊び以外にも、お家でトライしてみたことはありますか?
いろいろありますが、「おもしろくない」と却下されることも度々です(笑)。
私は先生ではないので勉強を教えることはできないけど、遊びの延長に学びがあるような、「勉強と遊びはつながっている!」と思える方法を模索中。子どもはハマると勝手に遊んでくれるので、お互いになるべく楽しく過ごせるアイデアを一緒に考えています。
ちなみにキッテオッテのブーメランを試作していたときは、体力が有り余った小学生男子に奪われて室内にブーメランが飛び交いました…(笑)。
―仕事中にブーメランが…。
そう…。でも、私にとっては仕事場でも、子どもにとっては「家は家」なんですよね。そこは忘れないようにと思っています。仕事でオンライン会議や電話をした後は、「静かにしてくれてありがとう」と言うとか、何気ないことですが。
ほかの家庭から見たらヘンなやり方かもしれないけど、私と子どもたちが楽しめたら、それでOKかなと思っています。
二人の子どもと在宅勤務。状況は同じでも、二つの家庭をのぞくとまったく違った暮らしが見えてきました。時間割をつくっていた“しみず家”と、午後は自由時間!の“みつもり家”。対照的に見えて、「子どもに合った方法を模索中」という部分は共通しています。子どもの年齢や性格 、兄弟の有無などによって、過ごし方や必要なサポートが変わってくるのですね。
周りと合わせたり、「こうしないといけない」と決めつけるのではなく、それぞれの家庭に合った方法を見つけながら、この状況をみんなが無理なく過ごすことが大切なのだと感じました。
この記事を書いた人
増田 ななこ
ラジオを愛する元テレビディレクターのコピーライター。人生で初めて読んだ漫画は『銀牙 -流れ星 銀-』です。